労働基準法第15条は、労働条件の明示について定めています。

労働基準法
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労働基準法第15条は、労働条件の明示について定めています。
つまり、使用者は労働契約の締結に際し、賃金、労働時間その他の労働条件を労働者に明示する必要があります(労働基準法第15条第1項)。

これらのうち、労働契約の期間、就業場所、従事すべき業務、労働時間、賃金、退職(解雇事由も含む)に関する事項については、書面交付をもって明示する必要があります。
また、労働契約関係を明確にするため近年制定された労働契約法第4条により、様々な事項について労働者の理解を深めるよう努力し、できる限り書面により確認することを求めています。

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このような労働条件の明示や書面交付を法律が定めているのは、労働条件の食い違いや理解の相違などが、使用者と労働者の間での紛争発生の元となっているという点から、法律で労働条件の明示と書面交付を定めたものです。

使用者によって明示された労働条件が、実際に給与として支給された事実と相違する場合には、労働者は即時に労働契約を解除することができます(労働基準法第15条第2項)。
また、就業するために住居を変更した労働者が帰郷する場合には、使用者はその費用を負担する義務があります(同条3項)。

求人の際に給与条件について誤解を与えるような不適切な説明をしていた際に、精神的損害として損害賠償請求を認めた裁判例も存在します。
このように、労働条件の明示、書面交付義務違反があると、使用者が大きな不利益を被る場合がありますので、労働者を雇う場合には、労働条件の相互理解を深めることが大切なのです。

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