労働基準法などの法令は、法文上で使われている用語に抽象性を伴う

労働基準法
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行政の世界では、通達というものがよく使われます。
これは、法令の条文だけでは理解しにくい点を適切に解釈できるように、行政官庁内部でやりとりされている書類のことを指しています。

特に、労働基準法などのような法令においては改正が多く、かつ、法文上で使われている用語に抽象性が伴うために、行政運用者側にとっても解釈の基準となるものが必要となります。
そこで、行政通達を解釈例規と呼ぶ場合もあります。

また、通達には記号が添えられていて、これは、発行された日および発行者を表すものです。
労働基準法に関連した記号としては、たとえば発基、基発などがありますが、これは、前者においては労働基準局関係の厚生労働事務次官が発行したという意味であり、後者は労働基準局長が発行したという意味で使われています。

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また、基収は、厚生労働省労働基準局長が疑義に応えて発したものという意味です。
ところで、中小的な用語が多い労基法においては、日本国憲法第25条1項に規定されている生存権および第27条2項に規定されている勤労条件の基準を具体化した法令となっています。

すなわち労基法は、労働条件の最低基準を定め、労働者の保護を目的として制定されたものなのです。
最高法規である憲法の条文の具体化を十全なものにするために、労基法は、取締的要素と強行法規の色彩を色濃く持っています。

雇用契約という私法上の契約形態で関係づけられる雇用者と使用者の間を取り持つ労基法に、公法の刑罰規定としての罰則が定められているところからも、同法がいかに重要な法律かということがわかります。

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