企業活動において債務が多くなったり、資金繰りに行き詰まったりした時には、破産して会社を清算する手段をイメージする人が多いです。
しかし、最近は経営が破綻した企業でも、民事再生手続を開始するというニュースを見る事が多くなりました。
この手続きは破産に近いですが、破産手続の開始原因となり得る状態の時に申立できるものです。平成12年4月からスタートした再建型の倒産の形で、原則として経営陣はそのままでも経営を行うことができます。
ここが似た制度である会社更生法との大きな違いの一つで、会社更生法の対象となっている株式会社でも、煩雑な手続きなどを避けるために民事再生法を選ぶことも多いです。
この再生手続の申立は裁判所に行いますが、この際には一括で債務総額に応じた予納金を納めなければならないので、再生手続の費用も用意できないほど困窮した状態になる前に申立を行うのが良いでしょう。
この申立の後、監督委員の選任などを経て、通常であれば2週間程で民事再生手続の開始決定が出ます。その後再生計画案を作成するための様々な手続きを経て、この再生計画は債権者集会において決議され、条件を満たして可決されることで、再生計画に基づき圧縮された債務の弁済を続けて行くのが一般的な流れです。
そして、再生計画認可決定から3年間経過するか、債務の弁済が終了して再生計画を遂行した場合に、裁判所が終結決定をすることで民事再生手続が終了します。
再生手続はこのように長い道のりですが、会社再建の切り札として活用されている制度です。