不動産会社がいつの時代も優良産業なのは、調度良い具合に競争が規制されているからです。
もし、製造業のように完全な競争産業であれば、海外資本の流入とルール無用の弱肉強食の世界となるため、現在のように零細企業や新興企業でも十分な利益をあげられるような業界であり続けることはできません。
他の業界を見ても明らかですが、例えば、金融業やマスコミなど、日本企業で平均給与が高いところは、いずれも程良い競争で済んでいる業界です。
何らかの規制があることで、外資の無制限の流入や、過酷な国際競争から守られているのが優良産業の特徴で、もちろん、ある時突然ルールが変わって、製造業のような厳しい競争社会になる可能性がないわけではありません。
しかし、規制産業が規制産業である所以は、ロビー活動に強いという理由があるためで、実際にはなかなか簡単に規制緩和や市場開放がなされることはありません。
金融業界についても、海外からの市場開放要求は強いですが、現実にはまだまだ規制で守られており、結果として全体平均よりもはるかに高い給与水準を維持することに成功しています。
不動産業界も同様で、起業したばかりの若い会社でも簡単に高い利益をあげられるのは、規制によって売り手市場が維持されているからです。
基本的には競争相手が国内に限られているので、世界中を相手にして戦う必要のある製造業と違い、競争が非常に楽なのです。
また、初期投資の額でも製造業とは比較にならないほどハードルが低いのも理由の一つだと言えます。