交通事故や火災などの事故、台風や地震などの自然災害、また、発見が困難な疾病と、私たちは思いがけない災いに見舞われる事があります。通常それほど頻繁では無いのですが、個人の平素の収入では支出が困難となるほど多額の災害復旧や病気治療の為の費用が必要となる場合があり、保険とは、この様な際に備え、多くの加入者から少額の掛金(保険料)を集めて、災害や疾病の犠牲になった加入者に補償金(保険金)を支払う相互扶助の制度です。
この制度が継続的に運営される為には、多くの加入者から集めた掛金の総額と事故、災害、疾病を被った加入者に支払われる補償費用の総額とがつりあっている必要があります。
この事を「給付、反対給付の原則」と言いますが、別の言い方をすると、予め事故、火災、疾病を被った加入者に支払われる補償費用を予測して、収支バランスを維持する様に掛金の金額を決める必要があるという事です。
従って、掛金の金額の決定の為には、どの様な事故や自然災害に見舞われるかや疾病を患うかについて、できるだけ正確に予測する必要があります。
しかし、様々の不確定要素がある中で、個人個人について、どの様な事故や災害が起きるのか、どの様な病気を患うかを正確に言い当てる事は事実上不可能です。
この様な状況において、多数の統計結果から自然災害や事故、疾病の発生確率を予測し、これに被災者に支払う補償費用を掛け合わせる事により掛金が決定されます。
この方針に従うと、発生確率が高い事故、災害、疾病ほど、また、被災者に支払われる補償費用の額が高いほど、加入者が納めるべき掛金の額が高くなる事が分かります。
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