日本でも権利意識の高まりとともに、訴訟件数が増えてきました。
その中でも、現代的な訴訟として医療訴訟が挙げられます。
医療に関しては、特に日本では医者の権威の下で、患者の方は長らく権利意識が低かった経緯がありますが、1990年代を境に医療訴訟の件数が増加傾向にあります。
それは、新聞を騒がす医療訴訟に端を発して以降、メディアに医療過誤に関する報道や記事が多く見受けられるようになり、それに伴って、患者側にも医療の分野に関しての権利意識が高まるという動きになったと考えられます。
ただし、この動きに対して2005年あたりから、医療従事者側も訴訟に関した対策に積極的になりました。
インフォームドコンセントやインフォームドチョイスなどの患者側の権利に基づく用語の浸透も現在では当たり前になり、医療従事者から、医療施術に関しては危険性を含めた詳しい説明が行われるとともに、施術に関する同意を事前に文書で求めることになっています。
それに伴って、訴訟件数も減ってきました。
また、訴訟の件数からみると、内科が最も多く、外科、整形外科や形成外科と続き、その後に産婦人科があります。
一方弁護士の急増に伴い、医療知識が十分でない弁護士が訴訟を引き受ける場合もあり、その結果、適切でない論点が設定されて、不毛ともいえる訴訟が増えているのも事実です。
それゆえ医療従事者は、今後とも問題を残さない医療体制を敷く必要があるといえます。