株式は、会社経営の発言権を握る権利であるとともに経済的な価値も有しており、非常に重要な財産上の権利であるといえるものです。
株式が相続されて遺産分割協議も終了した後には、会社に対して新たな株主を明らかにするために、株式の名義書換手続きをとる必要があります。
この手続きは、会社に対して行うのが法律の原則ではありますが、実際には会社側で信託銀行や証券会社等の株主名簿管理人に業務を委託している場合がほとんどですので、これら信託銀行の窓口などで手続きをすることになります。
手続きの際に必要な書類として、以下のものが挙げられます。
まずは株券、株式名義書換請求書、新しく株主となる人が記載された株主票、遺産分割協議書及び遺産分割協議書に押印された印鑑についての印鑑証明書、最後に、故人の方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と相続人の方全員の戸籍謄本です。
これらの書類を用意して、信託銀行の窓口へ赴くこととなります。
名義書換の手続きをしないままにしてしまうと株主としての権利を受けることができないという可能性もありますので、手続きは早めに済ませておくことが大切です。
専門家に手続きを依頼される場合には、司法書士や相続手続きを専門にしている行政書士へ依頼するとスムーズに手続きを代行してもらえます。
特に、ご兄弟が多いなどの場合には、戸籍の収集などの法務手続きが大変複雑になる場合がありますので、専門家へ相談されることがお勧めです。