人事訴訟は、身分上の関係を審理判断するための裁判所の手続きです

訴訟
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人事訴訟とは、身分上の関係を審理判断するための裁判所の手続きです。
学問上は非訟と呼ばれ、訴訟手続きとは区別されます。

国民の権利義務を、法律の規定に従って一刀両断的に判断する訴訟手続きに対し、裁判所が一種の公共的サービス機関として問題の解決に協力するというタイプの手続きとなります。
具体的には、以下のような点に訴訟手続きとの違いがあらわれています。

まず、手続きが非公開で実施される点です。
国民の権利義務を判断する訴訟手続きは、手続きの公正さを守るために公開裁判の原則が憲法で定められていますが、非訟は一種の公共サービスとして、プライバシーへ配慮したものとして非公開の手続きで行われます。

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次に、参与員という制度が設けられている点です。
参与員は、良識ある国民から裁判所が選任し、条理、常識に基づいて判断を行います。
事実を法律の条文に照らして権利義務の判断をする訴訟手続には、存在しない独特の制度です。

さらに、民事訴訟の重要なルールである弁論主義という原理が排除されています。
訴訟手続では当事者が主張立証しない事項は、裁判所はないものとして手続きを進めます。
私的な権利や法律関係について、自分自身で主張立証させることによって自己責任原理を裁判上も定めました。

他方、非訟においては、裁判所が公共的サービスとして問題に向かい合うため、問題解決に役立つためには当事者が主張立証しない事項でも職権で判断することを認めています。
人事訴訟には訴訟手続きと比較した場合、以上のような特徴があるのです。

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