米国特許法の大きな改正が2011年になされ、世界の主要国では、統一的な特許取得が可能になりつつあります。
特許制度に関してはグローバル化が進み、複数の国に同時に特許を出願することが慣例になってきています。
しかし、特許の大きな壁が、実はアメリカでは発生しやすく、というのも、アメリカでは独自の特許出願法がこれまで行われてきたからです。
これによって、特許の国際調和が取れない状態になっていたのです。
また、アメリカ国内では、パテントトロールと呼ばれる現象が問題とされてきました。
パテントトロールとは、特許製品の製造を行っていないにもかかわらず多額の賠償金を目当てにして、企業に対して差止請求や特許権侵害訴訟などを起こす権利濫用訴訟のことをいいますが、これが後を絶ちませんでした。
このパテントトロールに対する訴訟に対応する問題や、それを回避するための煩雑な特許申請の準備作業が必要となることで、特許を取得する意欲が減退しつつありました。
それが、アメリカの特許制度の抜本的な改革を後押ししたといえます。
主たる改正点としては、これまでの先発明主義から先願主義への移行が図られたこと、グレースピリオドの保持、特許番号の不表示および虚偽表示規定の改正、先使用権の拡大、特許権侵害訴訟の適正化、故意侵害における損害賠償算定の修正、特許付与後の異議申立制度および補充審査制度の創設、当事者系再審査制度の改革、そしてベストモード開示要件などがあります。