平成17年1月に破産法が改正されました。
破産法といえば、大正時代からのものが小さな改正を経て運用されてきましたが、さすがに時代の流れに合わせた抜本的な改正が必要となり、今回の改正の運びとなりました。
個人の自己破産における大きな改正が何点か行われています。
改正前の法においては、破産の申立と免責の申立は別々の申立でした。
したがって、破産手続きの申立を行っても、さらに免責の申立を別途行う必要がありました。
その場合、破産の申立を行っても、免責の申立が開始される前においては、債権者が強制執行をかけるようなことがよくあり、しかしこれでは、せっかく破産手続きを開始して自己の生活の準備をしようとする債務者の意図に反することになってしまいます。
そこで、新破産法においては、破産者の破産後の生活を保護するために、破産の申立があると同時に免責の申立があったという処理にするとともに、その間は債権者が債務者に対して強制執行をかけることを禁止することにしています。
つまり、これによって、破産手続き開始前であっても、債務者は強制執行をかけられることがなくなったのです。
他方、改正後の破産法においては、さらに破産者の生活の保護を考えて、差し押さえられない財産の範囲を拡張することになりました。
すなわち、改正法によって、現金99万円までは自己財産として持っておいてもよくなったのです。
このように、新破産法においては、破産者の生活保護を守ることに重点が置かれることになりました。