アエル(旧日立信販)に過払金が発生している場合、その債権がどこにあるかを調べるのは他の金融業者に比べてやや困難になっていました。
というのも、アエルは平成20年3月27日に民事再生手続を申し立てており、同年4月30日にJPモルガン(現ニューヨークメロン信託銀行)に債権譲渡しています。
その後、JPモルガンは譲り受けたアエルの債権を同年6月25日にエヌシーキャピタル(以下エヌシー)にさらに譲渡しており、理論的には平成20年3月27日までの過払いはアエルに総額の5%、3月27日以降4月30日まではアエルに全額、4月30日以降6月25日まではJPモルガンに、6月25日以降はエヌシーに請求しなければなりません。
実際には、民事再生申立をした以降の債権についてはエヌシーが対応するという通知が来ましたが、全額支払う意向は無く、債権額の2割程度で交渉してきました。
その後、平成22年9月17日東京簡易裁判所民事第5室4係において、アエルからJPモルガン、エヌシーキャピタルに移行した債権は、以降前の過払金についても全てエヌシーが支払うよう判決が出ました。
エヌシーは上記のとおり、資金不足を理由に満額の支払いを渋る傾向がありますが、民事再生をしているアエルの弁済額は過払金の5%となっており、たとえ1~2割の返還であってもアエルの弁済を受けるよりは取り戻し額が大きくなります。
また、この判決により請求先が明確になったことも意義がありました。