土地や建物の登記住所は、現在、住んでいる住所地で登記が行われます。
しかし、その後住所の移転をしても、登記上の住所の変更義務はありません。
登記の住所とは、土地や建物の登記をする時の住所を登記事項証明書に記録するもので、引っ越しで住所の変更が生じた場合、変更登記をする必要がないのが現状です。
ですから、数十年前に住所移転をしても、登記上は変更登記をする必要がなく、このようなことは、日本全国に多くあります。
この住所の変更登記とは権利に関する登記とみなされ、不動産登記法上も変更の登記をする規定がありません。
しかし、土地や建物の売買や抵当権の設定をする場合、住所の変更登記をしていないと、これらの登記をすることはできなくなります。
これは、同姓同名の人が悪意で、他人の土地や建物を自己の所有物として登記をすることを防ぐためです。
日本全国には、同姓同名の人が多くいるため、このような手続きが必要なのでしょう。
不動産は、一生に一度の大きな買い物だと言われています。
ですから、住所の変更など無いと思われる方が殆どではないでしょうか。
しかし、地元の大地主さんや、投資で土地や建物を購入する人もいますし、法人が、土地や建物を購入することも考えられます。
このような方が、いちいち住所が変わったからといって変更登記をしていたら、莫大な費用がかかってしまいます。
こういったことから、不動産登記法でも住所の変更登記を義務化していないのです。