傷害とは、法律上相手方の生理的機能を侵害する行為と意味付けられています。
例えば、撲打により全治2週間の怪我をさせた場合、健康に活動するべき生理的機能を侵害しているので傷害となります。
傷害は刑法上の処罰としては、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が法定されています。
また、刑法上の責任とは別に、民事上損害賠償責任を負います。
傷害事件は故意による他人の権利の侵害ですので、民法709条により、不法行為による損害賠償責任が生じ、この賠償責任については、精神的損害に対する賠償責任も含まれます。
いわゆる慰謝料といわれるものです。
傷害事件に関する慰謝料の相場については、概ね以下のように算定されます。
まず、精神的損害は通院や入院等加療に伴って生じるという判断から、通院の日数1日につき1万円程度を請求できるのが相場です。
また、2週間以上の長期にわたる加療を必要とする事件の場合には交通事故の算定基準に従って請求するのが相場となります。
さらに、後遺症が残るような場合には、相手方がどのような職業や立場にあり、精神的にどのような苦痛を伴ったかにより請求額が異なってきますので、一般的な基準を考えることは困難となります。
なお、刑事告訴をしないことを条件として30万円程度の金額を上乗せして慰謝料として支払うこともあります。
万が一、傷害事件を起こしてしまった場合には、相手方への真摯な謝罪の気持ちとともに弁護士などに相談し、法的責任をしっかりと果たすことが重要です