自己破産にかかる費用は、申立を自分でする場合と弁護士や司法書士に依頼する場合とでかなり変わってきます。
自己破産に陥った人の中には、そもそもお金に換価できるような資産を持っていない人も多くいます。
したがって、そのような人の場合には、弁護士などの法律専門家に依頼することは難しくなります。
また、裁判費用のことを考えても、十分に出せない人も中にはいます。
そのような場合には、法律扶助制度を利用することができます。
国民の人権は形式的な平等ではなく、実質的な平等が必要とされていて、たとえば、裁判を受ける権利が憲法には認められているものの、実際に裁判所の助けを借りるためには、裁判を受けるための費用がかかることになります。
しかし、この費用を払えない人にとっては、裁判を受ける権利は絵に描いた餅のような存在になってしまいかねません。
これでは、実質的に国民の権利を保護したことにはならないので、持っているものと持たざるものの間で不平等な法律の適用がなされることになるのです。
これは、法律の専門家に依頼する場合にも同様のことが発生し、法律専門家に依頼するかどうかは、憲法上の権利とは関係ありません。
しかし、法律に無知な者に専門家を立てないで裁判の一方当事者にならせることは、裁判を不利にすることに等しくなりますから、これでは、依頼する料金を工面できないために、勝てる裁判も勝てなくしてしまうことになります。
これは、裁判を受ける権利を形骸化していることに等しくなるため、そこで、法律扶助制度が設けられ、実質的な平等が図られることになったのです。