2000年に廃止された従来の和議法では、手続開始の要件は破産原因があることとされていたため、手続を行っても手遅れになってしまう場合が指摘されていましたが、廃止とともに施行された民事再生法でその要件が緩和されました。
この適用要件は、破産手続開始の原因の生ずるおそれか、事業の継続に著しい支障を来すことなく債務を弁済できないこととされており、名前通り企業の再生に向けて早期の手続開始が可能です。こうした民事再生の手続をする際には、まず、裁判所に対して民事再生手続開始の申立を行います。
裁判所はその申立において棄却する場合を除いては再生手続開始の決定を出しますが、この決定は約2週間でなされることが一般的です。決定までの間の資金繰りなどに困らない為に弁済禁止の保全処分の申立も行うことが一般的で、この保全命令が裁判所から発令されると、一部の債権者にだけ弁済を行うことなどができなくなります。
民事再生手続開始の決定がされると債権者は再生手続に参加するため、裁判所が定める期間内に債権を届け出る必要があり、この届出がなされない場合には債権が失効することがあるので注意が必要です。
その他に、決定がされた時には手続等申立の不許、進行手続の中止及び失効などの手続の中止や債権の権利行使、再生手続を行った企業の業務活動などについて様々な効果を生じます。
このように、民事再生手続開始が決定された場合には、申し立てた債務者側も債権者側にもしなければならないことや制限を受けることなどがあるので、もしものために覚えておくと良いでしょう。