企業では、従業員の違反行為があった場合には、処分が下されることになります。
その処分とし最も多いのが、給与減額、つまり減給処分です。
減給処分は、労働基準法でその限度が定められています。
それは、減額される金額があまりにも高いと、従業員の生活をも脅かすことになるからです。
そして、減給処分をするためには、あらかじめ就業規則でそのことが定められている必要があります。
その就業規則で減給処分について定める際の限度が、労働基準法の中で定められています。
その限度は、まず、減給処分に該当する事案1回に対して減給する額は、1日あたりの平均賃金の半額以下でなければならないとなっています。
例えば、1日あたりの平均賃金が1万円の従業員であれば、減給できるのは5000円までになります。
次に、一賃金支払い期に複数の違反行為があった場合の減給金額の合計は、その一賃金支払い期の賃金の総額の10分の1以下でなければなりません。
一賃金支払い期は多くの場合1か月であり、月給制であれば、月給から減額できる額が10分の1以下ということになるのです。
しかし、重大な違反があった場合など、これくらいの処分では済まないというケースも珍しくはありません。
この場合は、減給処分を翌月以降に持ち越すことになります。
例えば、「減給処分10%3か月」といった形になります。
つまり、違反の重大さによって、減給処分の期間の長さが決まることになるということです。