近年、労働者の権利意識が高まっており、会社に対して訴訟を起こす事例が急増しています。それは、労働基準をはじめとした労働者を擁護する法律が、インターネットで簡単に調べられる時代になった事も要因のひとつだと言われています。労働者が勤め先に対して訴えを起こす中で最も多いのが、退職後にサービス残業代を要求するケースです。
裁判になれば、まず訴えられた会社に労働基準監督署の担当官が来ます。
そして労働者の給与明細やタイムカード等の提出を要求され、経営者に対して労働時間の管理法などの厳しい聞き取り調査が行われます。
そして、本来支払うべき残業代を過去2年間に遡って支払う事となります。
この際、訴えを起こした労働者だけでなく、噂を聞いた元従業員もサービス残業代を遡って支払う様に主張してくる場合が多々あります。
また、裁判では元社員のみならず、現在勤めている従業員にもサービス残業代の遡り払いが命じられるので、支払の負担は相当なものとなり、過去には遡り払いが数千万単位になってしまい倒産を余儀なくされた企業も存在しています。
訴訟を起こされたデメリットは費用だけでなく、この様な問題が起こった場合に莫大な労力と時間がかかる事もあり、労働基準監督署の対応に追われながら会社経営をこなすのは非常に困難です。
企業と労働者個人が争う事を防ぐポイントとして、就業規則を整備する事が一番に挙げられます。
サービス残業代についても、就業規則の中で時間外労働に関してはどの様にするかを明記するだけで、トラブルを未然に防止する事が可能となります。
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