クーリングオフの制度は、売り手が優位な立場にあるとされる訪問販売や電話勧誘販売に適用されるものです。
それでは、今、市場の一翼を担っている通販、いわゆる通信販売では、クーリングオフは適用されるのでしょうか。
残念ながら、通信販売は訪問販売などとは違って、売り手が優位に立つことはなく、広告などを見て消費者が自由意思により購入を決定するものなので適用はされないと定められています。
とはいうものの、通信販売は対面販売方式ではなく、商品を直に見ることもできないため、購入後、実際に商品を見て「イメージと違った」と嘆くことも多いようです。
こうした場合、泣き寝入りをするしかないのでしょうか。
いいえ、通信販売では、消費者保護の観点から以下のことが義務付けられています。
それは、返品の可否、条件、送料の負担について明記するということです。
売り手は、返品を拒否してはならないということではありません。
その場合はその旨を明記して、消費者に理解させなければならないということです。
では、返品についての記載がされていないときは、どうしたら良いのでしょうか。
その際は、クーリングオフの制度を準用して、商品到着後から8日以内の返品が可能となっています。
つまり、通信販売を利用するときは、消費者の側も広告を熟読し、納得した上で購入しなければならないということです。
このように、通信販売は自己責任によるところも大きいですが、どうしても納得のいかないトラブルが発生したときは、消費生活センターなどに相談して解決を図るようにしましょう。