特許とは、有用な発明などを行った人物に対して与えられる、その発明の占有権のようなものであります。
特許庁は、究極的には多数の国での特許取得を容易にしようとしていますが、あくまで構想であって、今のところ実現しているわけではありません。
しかし、実現こそしていませんが、最終的に目指しているところを国際特許、または世界特許と呼称しています。
目標に名前がついている状態といえばわかりやすいでしょうか。
特許権にまつわる制度には、国ごとに差異があることもしばしばあるため、そうした相違点などの問題から世界特許の実現には見通しが立っていない状態なのです。
各国で共通化が進められてはいるものの、近いうちに成立することはないでしょう。
とはいえ、将来的にはいずれ実現するのかもしれません。
もしも実用化されれば、ひとつの国や地域で特許権が承認されると、その他もろもろの国や地域でも通用するようになります。
今でこそ国や地域ごとの運営となっており、多数の国での特許取得には複数国への申請が必要となっています。
これが実現されれば、申請の簡素化や期間短縮、さらには国際係争の減少なども期待されており、そうなれば複数にわたる手続きといった負担もなくなります。
この世界特許の条例に向けた動きは2006年から始まっており、東京の国際会議では41カ国が集まりました。
どれほどの時間が要するかはわかりませんが、実現されればそれだけ特許の取得は容易になるのです。