少し前までは、一つの会社に入社したら定年までその会社で働くのが日本社会の慣習であり、美徳でもありました。
このシステムは、会社が社員に終身雇用を保障することで成り立っていましたが、グローバル化による競争激化と日本経済の低迷により、現在では上記システムは事実上機能しなくなっています。
したがって、日本のビジネスマンのなかにも、自らのスキルを活かして転職する人々が昨今多くなってきています。
そして、転職市場の中でも最も需要のある人材として挙げられるのが、エンジニアと特許実務に通じた人材です。
なぜ、特許実務に通じた人材が重宝されるかというと、それは、日本の大企業はいわゆる製造業を中心として構成されているからだと言えます。
日本企業は独自の技術を多く保有しているので、その技術を守るために、知的財産権に通じた人材を常に必要としています。
そのため、その分野で実務経験を積んでいる人材は、他の分野の人材に比べて企業から歓迎される傾向にあるのです。
では、具体的にどのようにして実務経験を積めば良いのでしょうか。
本記事では二つの方法をご紹介したいと思います。
まず一つ目は、弁理士試験に合格して弁理士の資格を取得することです。
弁理士とは、特許を含む知的財産権のスペシャリストであり、豊富な実務経験を積むことができます。
もう一つの方法は、事業会社の知的財産部に所属することです。
この部署では、知的財産実務のほとんどすべてを経験することができ、スキルアップを図れます。