労働保険料の申告や納付等をする労働保険事務は、基本的には事業主が行わなくてはいけません。しかし、中小企業は労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託する事が出来ます。
委託出来る事業主は職種ごとに従業員数の規模が決められており、金融・保健・不動産・小売業の場合は50人以下卸売・サービス業は100人以下、その他の業種は300人以下となっています。
労働保険事務組合が会社や個人事業主の代行役として行える事務内容は、労災保険・雇用保険に関する申告や申請、届出や報告など労働保険事務に関するものを概ねカバーしています。しかし、印紙保険料に関する処理や労災・雇用保険給付の為の請求等はその範囲から外されています。
仕事中または通勤中に怪我等をした際にその補償を受けられるシステムが労災保険ですが、それは保険に加入している従業員が対象であり、事業主や家族従業者、自営業は加入する事が出来ません。
しかし、事業主であっても労働者と同じように災害に遭う危険性が否定出来ない状態の中で業務に当たっている方も大勢います。
労働保険事務組合を利用していれば、労災保険対象者として適当と認められる一定の条件に該当すれば事業主も特別加入する事が可能です。
また、労働保険概算保険料の納付も、本来なら分割可能な金額は40万円以上ですが、事務組合委託ならその金額とは関係なく分割する事も出来るようになります。
頻雑な事務処理の負担が減るだけでなくこういったメリットもありますので、労働保険事務組合へ委託する意味は大きいでしょう。