労働基準法とは、労働組合法、労働関係調整法と共に「労働三法」とされ、労働に対する様々な規制を定めている日本の法律です。
日本国憲法第27条2項にて賃金や就業時間、そして休息などに関する勤労条件を明確にし必要性が謳われており、制定は1947年となります。
その後1985年に女子差別撤廃条約を批准したことにより、深夜勤務の原則禁止や時間外勤務の上限など、女子の保護規定が削除されました。
ただし、坑内労働の禁止や生理、妊娠、出産など、女性特有の規制は存在します。
1987年には週40時間労働制、変形時間労働制やフレックスタイム制など、新たな制度を導入した改正を行っています。2008年には労働契約法を制定し、解雇権濫用法理の条文が削除され、2010年4月からは割増賃金の割増率の増加が義務化され、中小企業を除きますが時間単位年休の制度などが追加されています。
労働基準法における基準は最低限のもので、この基準での実効性を確保するため、この法律が適用される事業所では独自の制度を設けている所もあります。
違反したケースでは、一部の条文に刑事罰が適用されるため、刑罰法規としての側面も持っています。
ただし、この法律に関する行政機関の介入は限定的で、いわゆる「ブラック企業」が無くならない実態との乖離の問題は存在しています。構成は13章からなり、総則から労働契約、賃金、労働時間、年少者や妊娠者についてなどの規則を記しており、運用は厚生労働省が担当し、ホームページ上でQ&Aを参照することが出来ます。