就業規則とは、職場における労働条件を使用者が定めたルールのことをいい、常時10人以上が勤務する会社、事業所では必ず作成しなければならないと定められています。
なお、この10人には非正規雇用の労働者も常勤である限りは含まれます。
建設業の場合、業種の特殊性から就業規則の作成にあたっては他の企業とは異なる視点から注意して作成する必要があります。
まず、労働時間や休憩、休日に関する定めです。
労働基準法上、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれていると客観的に認められる時間帯を指しますので、現場までの移動時間、準備、片付けの時間などはすべて使用者の指揮命令下にあると言えるので、労働時間にあたります。
ところで、労働時間について1日8時間の労働を超えた場合には割増賃金を支払わなければなりません。
建設業では上述した準備時間や移動時間も労働時間に含まれてしまいますのでこれらの時間も含めて1日8時間労働となるように、具体的には、現場を引き上げる時間や片付けの時間を見越して勤務時間を設定することが重要となってきます。
次に、懲戒の定めも重要です。懲戒を有効にするためには、就業規則に定めがあることが前提であるからです。
いかに企業秩序を侵害する行為であっても、根拠がない懲戒処分は違法無効となります。
建設業では現場は会社・事業所の外で行いますので、トラブルも現場で起こることが多く、現場でトラブルを起こしてしまったような場合には、どのような内容の懲戒処分を行うかあらかじめ定めておくべきなのです。