これまでの時代、サラリーマンならば当たり前のようにもらっていた家族手当にも、社会情勢とともに変化が現れ始めています。
今までは、ほとんどの企業で給与の一部として支払われていましたから、受け取る従業員の方ももらえるのが当たり前のように思っていました。
しかし実際には、家族手当は就業規則の中で定める福利厚生のひとつという意味合いのほうが強く、必ずしも企業に対して支給を義務付ける、法的な根拠のようなものがあるわけではありません。
これまでも、支払われていた企業の状況を見ても、各社で支給要件にさまざまな違いが見て取れます。
以前は平均的な家庭のあり方として、夫が働いて給与を受け取り、妻が家庭を支えるというステレオタイプがあったので、ともに家庭を支える要件としての家族の面倒まで会社が見るという風潮がありましたが、現代の社会では、家庭の有り様も実にさまざまな形があり、一概にこれまでの理屈が通用しなくなっている面があります。
その中で、今後も企業側がどこまで家庭に踏み込んで手当を支給し続けるべきなのかという議論はあるところです。
家族の定義も曖昧で、企業ごとに判断が分かれています。
同居で生計をともにしている人に限定したり、年齢制限を設けていたり、扶養家族までを含めた範囲まで認めていたりと、独自の判断で支給してきました。
最近では、この範囲をさらに狭めたり、就業規則から家族手当を廃止するという企業も出てきています。
このような手当の部分は時代とともに変化していくもので、サラリーマンにとっては痛い話ですが、時代の変化として受け入れざるを得ないところでもあります。