妊娠中絶には、要因によって流産や死産の自然妊娠中絶と、人工的に妊娠を中絶、死産させるものがあります。単に中絶と言うと日本では後者のことを指す場合が多く、母体保護法には、母体の健康上の理由あるいは経済上の理由がある場合、又レイプ被害などによる妊娠の場合は認められると規定され、妊娠22週を過ぎているとできません。
年間約28万件、そのうち10代の中絶率が約67%と驚くべき数字となっています。
女性の心身両面に多大な影響をもたらし、手術中のトラブルによって不妊症の原因となる場合もあるので、安易に繰り返すことは避けたいものです。
しかし、事情によっては中絶も止むを得ない場合があります。
女性の側は将来結婚を夢見て初めての妊娠を喜んでいたのに、男性の側はそれを望まず、しかもその後冷めた関係になり破局したと言うケースはよく聞かれることです。
女性はリスクも覚悟のうえで妊娠中絶の選択をして手術を受けるものですが、心と体に受けた傷の慰謝料を相手の男性に請求することは可能でしょうか。
男性の側にも、女性が受けた傷のせめて半分でも負担して欲しいと思うのは当然で要した費用の請求はできますが、中絶したことに対する慰謝料は不可能と言わざるを得ません。
何故なら、強姦など一方的な性的暴行を受けた結果であれば別ですが、お互いが合意の上婚姻外で性交渉をしてその結果として妊娠したのであれば、双方の自己責任と考えられるからです。
但し、「婚約」が成立していた事実があれば婚約破棄を理由に慰謝料を請求することはできますので、交際中の会話やメモ、メールなどを整理しておくことが大切になります。