社会保険とは社会保障の分野の一つを言い、国民が生活する上での病気、高齢化、失業、労働災害といったリスクに備えて事前に保険へ加入することによって、事故が起きた場合に現金などを給付することで生活を保障する仕組みとなっています。
日本には医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険という5種類の社会保険が存在します。社会保険は日本の社会保障の中でも中核的な存在で、個人の力では対応しきれない経済的損失を、国家・社会が集団の力で救済する社会的目的のため、民間の私的保険とは違った特色を持ちます。
私的保険との違いは、一定の要件を満たす人が強制加入する点や、個人の支払い能力などではなく、社会的平均に基づいて保険給付額が決まる点などが挙げられます。
給付の分類は、病気やけが、出産、失業といった一時的な労働不能に対しては、医療給付や手当金などの短期給付が行われます。
また、障害、老齢、死亡といった永続的な労働不能に対しては、年金などの長期的給付が用意されています。給付の性質により現物支給と現金支給があり、医療保険、介護保険、労災保険の療養費は現物支給で、年金保険、雇用保険、療養費以外の労災保険は現金支給となります。
保険内容は職業などによっても分かれており、医療保険は一般民間被用者対象の健康保険、船員を対象とした船員保険、自営業や無職者対象の国民健康保険などがあります。年金保険には、自営業や無職者対象の国民年金と、民間被用者や船員などを対象とした厚生年金に分かれています。