取消訴訟とは抗告訴訟の一種であり、行政庁による処分その他公権力の使用に当たる行為の取消しを求める「処分取消しの訴え」と、行政庁が行った裁決や決定などに取消しを求める「裁決取消しの訴え」とに分けられます。
なお、裁決の取消しについては処分の違法を理由に取消しを求めることができません。
取消しの訴訟が提起されると、その訴訟要件の審理が行われます。
行政事件訴訟法では、取消訴訟の要件として処分性・原告適格・狭義の訴えの利益・被告適格・出訴期間・裁判所の管轄について定めています。
特に処分性・原告適格・狭義の訴えの利益は重要で、処分にあたるか、原告が法律上の利益を有しているかどうか、処分や裁決を取消すことでその紛争が適切に解決できるかが最も必要な要件となります。
この3つの要件については判断が難しく、例外もあります。
これらの要件を満たさない場合その補正が命じられますが、補正に応じられない場合は訴訟が却下されます。要件が満たされている場合は本案審理が行われ、審理手続きについては、「職権証拠調べ」と「釈明処分の特則」以外は規定がありません。
また、この訴訟は行政事件訴訟法の規定に基づいて併合することが可能です。
取引訴訟とそれに関連する訴訟が別々の裁判所に継続する場合、必要と認められれば取消訴訟の裁判所の移送ができます。
原告または被告が複数で関連請求である場合は、共同で提起・訴えることが可能です。
更に、関連する損害賠償請求との併合や、処分と裁決を併合して提起できます。