日本には梅雨の時期があり、この時期に気を付けたいのが食中毒です。
サルモネラ菌に代表される細菌性やノロウイルスなどが原因となるウイルス性、フグの毒など自然毒も感染経路として挙げられます。
冬期間はノロウイルスに関する食中毒が多く、新潟県の飲食店で出された仕出し料理を食べた乳幼児を含む男女192人が、下痢や吐き気などの症状を訴え、その中の35人からノロウイルスが検出されたことが報じられました。
何年か前には死亡者まで出た焼肉屋チェーンでの事件もあり、世間を騒がせました。
死亡にまでは至らずとも、激しい腹痛や嘔吐の症状が続き、病院に入院したり通院したりした場合には、その損害賠償と慰謝料の請求ができます。
名の知れた飲食店であれば、保険に加入して食中毒などが発生した場合の補償に備えています。
保険会社が補償に応じる条件として、医師の診断書、保健所による立ち入り検査と飲食店に対する行政処分がなされることが必須です。
その上で、病院に支払った費用、通院の為の交通費、支払った飲食代金、会社や仕事を休んだため得られなかった休業損害を、領収書やレシートをもとに計算します。
そして、精神的な苦痛に対する慰謝料は交通事故の自賠責基準を参考に算出します。
その基準によると、入院、通院慰謝料は実治療日数を2倍にした数字に4,200円をかけた金額となり、2日の入院、10日間の通院の場合を例にとると、12×2×4200で10万8千円です。飲食店側ではお見舞金程度で済ませる腹積もりの場合も多いので、泣き寝入りとならないよう法的な資料と計算根拠をもって明確に主張しましょう。