離婚は婚姻関係を終了させる意思の合致で成立します。
離婚の際の慰謝料の請求は、法律的には民法709条に根拠を置く、不法行為による損害賠償請求となり、つまり、何らかの理由で故意または過失によって精神的損害を与えたと認められる場合に損害賠償請求権が発生するということになります。
この損害賠償請求については多数の判例(最高裁判所の判断例)が出ており、弁護士などはこの最高裁の判断をベースとして慰謝料請求の可否や請求可能額などを検討します。
判例を概観すると、まず、高額の慰謝料が認められるのは婚姻期間が長い上での不貞行為を行った場合・非がある方に資産がある場合・背信の程度が著しい場合などがあります。
例えば、同居期間が38年(別居は17年)の事例では1000万円の賠償請求が認めれた事案です。
しかし、高額な請求が認容されるのは、上記のような事情がある場合であり、一般的には500万円のラインを超える判断はなかなかくださないというのが判例の傾向です。
例えば、不貞行為に加えて暴力を振るった事案でも認容額は200万円にとどまった事案などがあります。
また不貞行為以外でも損害賠償請求が認められる場合があり、例えば、夫が仕事熱心なあまり、家庭の円満を破壊したと認められた事案で100万円の請求が認容された事案、姑が妻に対して執拗ないじめを行っていた場合に、夫がこれを放置した場合にいじめをやめさせるべき措置を怠ったとして夫に対して10万円の請求が認められた事案などがあります。