就業規則の効力は、労働基準監督署に届け出たときではなく、労働者に周知したときに発生します。
したがって、作成しただけでは不十分であり、全社員に公表しなければ効力が発生しないことになるのです。
一方で、労働者に知らせてあれば、労働基準監督署への届出を行っていなかった場合でも効力を発揮すると言われています。
これについては、労働基準法の第106条として、雇い入れている使用者は事務所などのわかりやすい場所へ掲示する必要があり、それを書面として広報して働く人へ知らさなければいけないという法律が定められています。
また、雇っている会社が宿舎などを従業員に対して提供している場合、これに関する規定などをその従業員に対して提示、または掲示するというルールも定めらています。
それらの具体的な方法は労働基準法執行規則52条の2に定められており、所定の方法をとらない場合は、労働基準法違反となります。具体的には、常時各作業場の見やすい場所に掲示するか備え付ける方法、労働者に書面を配布する方法、社内のパソコンなどでいつでも確認できる状態にしておく方法などが挙げられます。
また、就業規則を変更した場合にも、労働者に知らせなければ変更点についての効力は発生しませんので注意が必要です。たとえ、労働基準監督署に変更の届け出を済ませた場合であっても、効力は発生しません。しかし、執行期日が周知の後であった場合には、執行期日から効力が発生することになります。