2011年1月、シノハラ民事再生のニュースに印刷業界が驚きました。
シノハラ株式会社は、オフセット印刷機械製造メーカーとして、国内有数の中堅メーカーです。
シノハラは1919年創業で、初めは工作機械を製作していましたが、太平洋戦争終結後、1947年に印刷機械製造を専門とするメーカーとなりました。
本社は静岡で、日本国内では9箇所の拠点を擁し、アメリカのフロリダ州にも拠点を設けて海外進出もしていました。
オフセット印刷機械メーカーの中でもシノハラは、自社で鋳造から印刷機械を製造する唯一のメーカーとして有名で、アフターサービスの良さにも定評がありました。
製造から数十年が経過した機械の部品の交換にも応じていたといいます。
しかしながら、市場が縮小したこととリーマンショックや円安で、企業が設備投資を控えたことが響き、そのような状況でのシノハラ民事再生のニュースは、特に債権者の多い静岡に大きな衝撃を与えました。
そういった苦境の中にあってもシノハラは営業を続け、2012年4月には中国資本が買収することとなり、株式会社シノハラ・ジャパンとして再出発を果たしています。
市場が拡大する中国や東南アジアにおいて、シノハラの持つ高度な製造技術やメンテナンス技術は高い価値を持っていると判断されたようです。
アフターサービスも継続して提供するので、シノハラの機械を使用している印刷会社も一安心だと言えるでしょう。
印刷以外にも、太陽光やレーザー事業に進出し、今後の躍進も期待されています。